『資本論』2

 

児童・女性労働

1「機械が筋力をなくてもよいものにするかぎりでは、機械は筋力のない労働者(・・・)を充用するための手段になる。」(『資本論』13章「機械と大工業」)

 

2「ある圧延工場では、名目労働日(以下労働時間とする)は朝の6時から夕方の5時半までだったが、ある少年は、毎週四晩は少なくとも翌日の晩の8時半まで続いた。(・・・)そしてこれが6か月続いた。」                      

「もう一人は、9歳のときには一回十二時間の就業を三回やったことがたびたびあり十才のときには二日二晩続けて就業した。」

「第三の一人は、いま十才であるが、三晩は朝六時から深夜十二時まで、その他の夜は九時まで働き通した。」

「第四の一人は、いま十三才であるが、まる一週間午後六時から翌日の正午十二時まで労働し、またときには三回分続けて、例えば月曜の朝から火曜の夜まで働いた。」

                                 (同 上)

           (児童労働調査委員会 第4次報告書 ロンドン 1865 年より)

 

労働時間の延長

1「機械は、資本の担い手としては(・・・)労働日(以下労働時間とする)をどんな自然的限界をも越えて延長するためのもっとも強力な手段になる。(  中略  )労働手段(機械)は、それ自体として、一つの産業的な恒久運動機構となり、この機構は、もしそれが自分の人間的補助者のなかのある種の自然的制限すなわち彼らの肉体的弱点や彼らのわがままに衝突しないならば、不断に生産を続けるはずのものである。」

 

2「機械の物質的な損耗は二重である。一方は、ここの貨幣が流通によって磨滅するように、機械の使用から生じ、他方では、使われない剣が鞘のなかで錆びるように、その非使用から生ずる。」

「ほかの事情が変わらず労働時間も与えられているとすれば、2倍の労働者数を搾取するためには機械や建物に投ぜられる資本も(・・・)2倍にする必要がある。労働時間を延長すれば、生産規模は拡大されるが、機械や建物に投ぜられる資本は不変のままである。」                            (同 上)

 

労働の強化

1「労働時間の無限度な延長は、すでに見たように、のちには、その生活の根源を脅かされた社会の反作用を招き、またそれとともに、法律によって制限された標準労働日を招くのである。この標準労働日の基礎の上では、われわれが以前にも出会ったことのある一つの現象が決定的に重要なものに発展するすなわち。労働の強化が。」

 

2「(・・・)二通りの仕方がある。すなわち、機械の速度を高くすることと、同じ労働者の見張る機械の範囲、すなわち作業場面の範囲を広げることとである。(  中略  )蒸気機関の改良は、ピストンの一分間の運動回数を多くし、また同時に、いっそう力を節約することによって同じ原動機でいっそう大規模な機構を運転することを可能にし、(・・・)伝導機構の改良は、摩擦を減らす。(・・・)最後に作業機の改良は近代的蒸気機関の場合のように、速度を高め作用を拡大しながら機械の大きさを減らす」

 

3「1862年と1856年を比べれば、織機数は非常に増加したにもかかわらず、従業労働者の総数は減少し、搾取される子どもの数は増加したのである。」

                                 (同 上)