2016.04.29

 

正念場ですね

 

 2016年4月24日に行われた衆院北海道5区の補欠選挙。
 共同通信や北海道新聞の出口調査によると、無党派層の7割が市民連合・野党共闘の池田まきさんに投票。和田義明さんに投票したのは3割だったとのこと

 国連「表現の自由」特別報告者デビッド・ケイさんからも報道の自由の危機が指摘された日本ですが、絶望的な状況ではなさそうですね。

 以下は、あるコラムに投稿した私の文章ですが、ご一読いただければ幸いです。

「ワイマール憲法の教訓-なぜ独裁が生まれたのか」。先月十八日の「報道ステーション」
はこのテーマに真っ向から応えようとしていた。周知のとおりナチスは軍やクーデタで独裁を確立したわけではない。国会内で議席を増やし、世界一民主的といわれたワイマール憲法の条文-「国家緊急権」を悪用することで独裁体制を築いたのだ。

首相に就任したヒトラーは、「統一デモや共産党による国家転覆の陰謀」を抑えることを口実に国家緊急権を発動、政府批判を行う政党の集会やデモ、出版をことごとく禁止した。

「ナチの手口を学んだらどうか」。以前、麻生太郎はこう発言したが、安倍政権はすでに学んでいるのかもしれない。例えばヒトラーは「強いドイツを取り戻す」と宣言し、独裁を「決断できる政治」、戦争の準備を「平和と安全の確保」と言い換えた。どこかで聞いたような言葉である。「国民は指導者の意のままになる。それは簡単なことで自分たちが外国から攻撃されていると説明するだけでいい」。このヘルマンゲーリングの言葉も日本の現状を考えさせる。

さて、すでに自民党が発表している「憲法改正草案」の緊急事態条項。多くの専門家はヒトラーが悪用した条文との類似性を指摘する。基本的人権が我々の「不断の努力」なしには空文に化すというのも歴史の教訓だ。「人の支配」を許さず「立憲主義」を守れるのか。正念場とも言うべき年である。