消費税25%でも経済成長を続ける(要約の続き)

 

 

Q 高齢化が進む成熟社会では、どのような需要が大きいか?

・福祉産業に対する需要

 

例)スウェーデン

社会保障支出の総額は8556億クローナ(約14.5兆円)、GDP比で32%!

就業者の割合…福祉産業を含めた「対地域・社会・個人サービス」は38.3%(04年、日本は22.1%)。

 

産業構造が国内の需要と一致しやすい構造!

 

Q 北欧で失業者が増えにくい理由は? 

 

・北欧に代表される福祉国家は(サービス等の)生産と需要が一致するから失業者が出にくい。

・保育と介護といった分野では女性の雇用が進む。

→保育サービスが社会インフラとして定着するから、少子化に歯止めがかけやすい。

 

Q 政府部門の比率が高まり、非効率になる危険性をどう回避するか?

 

・徹底した分権化によって

 

スウェーデン:福祉や教育サービスは市町村によって提供される(その費用は歳出のおよそ80%)。市町村はほとんど福祉と教育に専念

 

個人の所得税はまず市町村に納められる→税負担と受益が目に見え、国民のチェックがはいりやすい。

 

・「小国」であるために、政策を機動的に打ちやすい→実験国家

スウェーデン…人口は東京の半分以下。

 

しかし、日本は今まさに、地域独自の再生策を考える段階にきているのでは?。

 

道州制も検討課題→北欧は身近な存在になる

例)スウェーデンの人口は、大阪府とほぼ同じ

デンマークのGDPは、神奈川県や中国地方に近い。

 

Q スウェーデンで、地域格差が小さい理由は?

 

福祉事業はまさに“地場産業”→規模は小さくても、その地域に確実にカネが還流するから

 

 北欧はすでに70年代から高齢化に直面し、そして対応してきた。

北欧が生み出した「知恵」と「経験」。そこに何を学び、どう活かすか?

 

(コメント)

 

 鳥取県の片山前知事は、「鳥取を北欧のような地域に」ということを目標に「特別支援教育」の充実など、さまざまな改革を進めてきた。「生活する人々」が少数者も含めて排除されず幸せに生きていける社会をどう創っていくか、ということは共通する課題であるが、それを考えていく上で「北欧」の社会は少なくとも「一つのモデル」にはなるであろう。

 

大切なことは、できない理由を数限りなく挙げることではなく、「一つのモデル」を参考にしつつ「どのような社会を創っていくか」という意思を明確にすることではないだろうか。

 憲法に明記される「生存権」や「教育を受ける権利」などいわゆる社会権の保障をどのように「実現」していくのか、ということは重要な問題である。

 

 NHKスペシャル『ワーキングプアV』が日本の現状を鋭くえぐりながら解決のための方策を提示したのと異なる角度から、今後の日本のあり方を考える貴重な素材を提供する特集だと思われる。

 

 

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