閣僚、国会、地方議会女性比率4割を徹底する
男女平等の意識が高い北欧諸国では、具体的な取り組みも続々。しかもその勢いは止まらない。理念先行の日本とは大違いだ。
以下、内容の要約
Q 日本の現状は?
「男女共同参画社会基本法」に基づき、「男女共同参画推進会議」が設置された。
だが、その会議のメンバー25名中、女性はわずか8名。早くも人選の部分で男女平等の理念が忘れられている。
Q 北欧(ノルウェー)は?
男女平等の先進国。特にノルウェーはやることが徹底している。1979年に「男女平等法」を施行するとともに、「男女平等オンブッド」を設置して、性差別を受けた人が訴えてきた苦情を審査し、解決を図ってきた。性差別的な制度があれば、その都度変更させている。
Qノルウェーの男女平等法の内容は?
「公的な決定の場は、その構成員において一方の性が40%を下回ってはならない」と定めている。
実際、国会議員の女性比率は37・9%。地方議会議官女性比率も37・9%に達した。内閣では、組閣に当たって大臣の4割を女性にするという慣行がある。「女性比率が5割になるのも時間の問題」(女性政策研究家の三井マリ子氏)だ。
Q 民間企業の実態は?
民間企業における女性の地位は男女平等とは言いがたい。
Q 取られた対策は?
06年には企業の女性取締役の数を4割以上にしなければならないという法律を施行した。
「女性が活躍できない社会とは人的資源の半分を無駄にしていること」(三井氏)。理念先行で具体性に乏しい日本には、実に耳の痛い言葉だ。
〔引用は以上 『週刊東洋経済』(2008年1/12号)より〕
〔コメント〕
そもそも「専業主婦」が生まれたのは、イギリスの産業革命期であると言われます。それまでは、夫婦で仕事を分担するのが一般的であったようですが、産業革命期のイギリスでは、「夫が昼に仕事をし、妻は家事一切を受け持つ専業主婦」となっていった、というわけです。男性をできる限り効率的に働かせよう、仕事に専念させようという「資本の論理」を背景に、このような状況が進行したわけですが、北欧諸国では、「女性の働く権利」を保障するのは当然、という原則が上記「資本の論理」の大きな歯止めとなっています。
理念ばかりが先行し、企業だけでなく国会議員なども含め、女性があまりに少ない日本の実態をどのように考え、突破していくべきでしょうか。