『週刊東洋経済』の特集「北欧はここまでやる 〜格差なき成長は可能だ!〜」の“序文”を要約します。(前半)

 

Q 医療、年金、介護問題など、日本が直面している問題(社会保障に関わる難問)の背景は?

 

・社会の活力低下。(少子高齢化と経済格差)

 

Q 平均(中央値)の半分以下の収入しかない日本国民の割合(貧困率)は?

 

・OECD(経済協力開発機構)の調査では、先進諸国の中でアメリカに次ぐワースト2位。

(「一億総中流」の時代はとうの昔に終わった)

 

Q 日本だけの傾向か?

 

・日本だけではない。

市場経済を重視して規制緩和を求める「新自由主義」⇒貧富の格差は世界的な課題に

 

例)1990年代終わりから「第3の道」を標榜し、新自由主義と福祉政策を融合させようとした英国

(福祉政策に力を入れたが、その水準は高くない

 

Q 経済成長を望むなら、“平等”は犠牲にしなければならないのか?

 

・興味深い事実…GDPの高い伸びを示しているのは、むしろ所得の平等性が高い国々(ジニ係数の低い国)が多い!

 

Q 日本の1人当たりGDPは?

1993年、世界トップ。しかし2006年は15位へ沈んだ。その13年のあいだに日本はGDPを1.7%減らした。

 

Q 逆にその間、豊かになった国は?

 

 そのような国は、福祉政策に積極的な国が多い。なかでも目立つのが北欧社会の躍進ぶりだ。

 

例)ノルウェー(2.64倍)、フィンランド2.31倍、デンマーク,1.87倍、スウェーデン1.83倍。いずれも1人あたりのGDPを大きく伸ばしている。

 

消費税25%でも経済成長を続ける?

 

 北欧諸国は、高福祉・高負担の国

例)スウェーデン。消費税率は25%と先進国で最高だ。

 

Q それでもなぜ経済成長が可能なのか

 

以上、“序文”前半の要約

 

日経新聞などの「経済紙」や「経済誌」を読んで感じることですが、環境問題などに関しては、「環境対策は成長を妨げる」と強く主張するのではなく、比較的冷静で妥当と思える判断に立って「必要な環境対策」を提言しているかに見えるのに対して、「新自由主義的な政策」「規制緩和の促進」といったテーマになると「経済のグローバル競争に勝ち残るためには正規雇用ではなく低賃金の派遣労働者を使うことも仕方が無い」「規制緩和の流れを止めるな」といった論調が目立っていました。そして、そのような流れがNHKスペシャル『ワーキングプア』で報道されたような「現実」の背景となっています。

 

「このような政策は、家庭教育の基盤を破壊し長期的には日本経済・社会の衰退をもたらすことは自明ではないか。なぜ、経済界はそのことに気づかないのか!」ということを私自身、以前から強く感じていました。そのような中、「経済誌」において「北欧はここまでやる 〜格差なき成長は可能だ〜」といった特集が行われたことには大きな意義があると思うのです。

 

ぜひ多くの方に『週刊東洋経済』の特集をお読みいただければ、と思っています。

 

序文後半

 

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